塗るから貼るへ! なぜ床にフィルムを貼るのか? part1

1.床塗装のメリット・デメリットとは

工場や倉庫の床は一般的に塗装されていることが多いです。
工場や倉庫の床を塗装することにはもちろんメリットがあります。
まずは床を塗装することで、床の劣化を防ぎます。
ひび割れ、削れ、凹凸などを防ぐことで、作業員の転倒を防いで安全性を高めることが出来ます。
また運搬中の資材や品物の落下・破損を防ぐことにもなります。
コンクリートの床は意外と削れやすいもので、削れた粉じんが品物や機械に混入してしまっては
品質低下や故障などの原因になることもあります。床を塗装することは、床の粉じんを防止し、
品質管理や衛生管理にもつながります。

反面デメリットもあります。使用している中で塗装面に細かい傷がつくと、
汚れが入り込み掃除をしても綺麗になりにくいです。また油汚れなどが染み込むと
汚れを取ることが難しいです。塗りたては綺麗ですが、その状態を長く保つことが難しいです。
床面への衝撃や摩擦などにより、剥がれが発生することがあります。
熱や溶剤などに対する耐久性も塗装の種類によってはあまり高くはありません。
塗り替えなどのメンテナンスも、施工期間や養生時間がかかります。
塗装には当然メリットもありますがデメリットも存在します。
では工場や倉庫の床塗装で代表的なもの4種類のメリット・デメリットを紹介いたします。

■代表的な床塗装の種類

A.エポキシ樹脂

工場に限らず、学校などの色々な施設で使われている塗料です。
安価なのがメリットで、塗装すると光沢が出て綺麗な印象になり、
掃除もしやすくなります。また、比較的早く乾くので、1日ほどで普段通りに
その場を使用できるようになるのも嬉しい点です。
ただし、他の床材に比べると耐久性が低いのがデメリットで、さらに熱にもあまり強くないので、
高温になりやすい作業場には向いていません。
廊下などの作業をしないスペースに向いている塗料です。

B.エポキシ樹脂(厚膜)

先ほどご紹介したエポキシ樹脂は重ね塗りすると少し特徴が変わります。
厚膜にすると、耐久性、耐摩擦性、耐衝撃性などが上がり、より丈夫な床にすることができます。
ただし、重ね塗りしてもやはり熱に弱いので、暑くなる現場には向きません。
また、普通のエポキシ樹脂はすぐに乾くのが長所でしたが、
厚く塗った場合はその分乾きにくくなるので注意が必要です。

C.ウレタン樹脂

耐久性が高いため、様々な業種の工場で利用できる床塗料です。
薬品にも強いので医療系の工場にも向いています。
ただし、汚れがつきやすく、状態によってはカビが生えることもあるので、
綺麗に保つためにこまめに掃除することが欠かせません。
水性のものは塗料特有のニオイがあまり発生しないので、食品工場との相性が良いです。

D.アクリル樹脂

今回ご紹介する中で一番高価ですが、その分、メリットがたくさんあります。
まず、エポキシ樹脂に比べて5倍ほどの強度があると言われています。
また、塗ってから1時間ほどで固まるのですぐに作業場を使えるのも魅力です。
一方で、90℃を超える熱湯に触れると床材が膨れてしまうので、
熱湯を扱うところでは不向きです。ダメージを受けにくい床材にしたい、
施工後すぐに作業をしたいという場合にぴったりです。

このように塗装の種類によって、様々なメリット・デメリットが存在します。
どのような場面にも万能な床塗装はなかなかありません。
またメンテナンスに関しても、養生時間が必要なため休日施工や工場の稼働を止める必要があります。
基本的に塗り替えの場合は、以前の塗装を剥離することが望ましいため施工期間やコストが
多くかかります。剥離や下地処理をせずに上塗りすると剥がれやめくれ等の原因になります。
用途によって、どのような塗装にするかコストも含めて慎重に決める必要があります。

part2へ続く

 

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